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大学入試はなぜ変わるのか?

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こんにちは、Moccoです。2020年から大学入試が変更になりますが、なぜそうなるのか良くわからないなということを聞きますので、整理してみます。

 

高大接続改革

大学入試改革は、国が進めている高大接続改革の一部です。
高大接続改革とは、高校教育、大学教育、そしてそれをつなぐ大学入学者選抜(=大学入試)の一体的な改革です。

各改革のポイントは

1)高校教育改革

学習指導要領の抜本的見直しと学習・指導方法の改善(アクティブ・ラーニングの視点からの充実)、そして生徒の基礎学力の把握と学習・指導方法の改善を目的としたテストの導入。新しい学習指導要領は、「何を教えるか」だけでなく「どのような力を身に付けるか」という観点を重視しています。科目構成や必履修科目も変わります。例えば、新科目「歴史総合」「地理総合」が必履修科目となります。数理系科目では、数学と理科の知識や技能を総合的に活用して主体的に探究活動を行う「理数探究」が設置されます。

2)大学教育改革

アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)に加えて、カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施方針)、ディプロマ・ポリシー(学位授与方針)の3つのポリシーを各大学が一体的に策定・公表し、これに基づいて大学教育を行うことが挙げられ、大学は本来の研究機関として、社会での適応力・実践力を備えた人材を社会へ送り出すことが求められています。

3)大学入学者選抜改革

これまで以上に多面的・総合的に能力を評価する入試への転換が掲げられ、その一環として現在のセンター試験を廃止し、2020年度に行われる入試からは思考力・判断力・表現力を一層重視する「大学入学共通テスト」が導入されます。また、各大学の個別選抜でも、より多面的な選抜方法にすることが求められています。一般入試においてはすでに面接を導入したり、志願者自らが作成した志望理由書等を提出させる大学が増えています。また、AO・推薦入試では、国立大を中心に新たに導入、募集人員を拡大するといった動きがあります。さらに2020年度に実施される入試からは、AO・推薦入試でも小論文、プレゼンテーションや大学入学共通テストなどを通じて、学力を問う試験を必須化する方針が示されています。

 

なぜ改革を行うのか?

なぜ、こうした改革が行われるのでしょうか。それは、国の将来に対する強い危機感があるからです。現代社会は先を見通すことが難しく、今の小学生や中学生が大人になる頃は、現在とは社会や職業が大きく変わっている可能性があるといわれています。中教審の答申でも、アメリカの大学教授の「2011年にアメリカの小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業後、今は存在していない職業に就く」という予測が紹介されています。たしかに、今では当たり前のように使われているインターネットや携帯電話が、急速に普及してきたのはここ20年ほどの出来事です。それ以前に今の世の中を想像することが出来た人は少なかったでしょう。ITの発達に伴って、社会や仕事の在り方は変わり、かつては存在していなかった職業も多く登場しています。
日本は、今後急速に少子高齢社会を迎えます。それに伴い、生産年齢人口の急減、労働生産性の低迷、産業構造や就業構造の転換、地方創生等への早急な対応が求められます。国際的にはグローバル化・多極化の進展、新興国・地域の勃興といった変動が起こっています。このような先の見えない状況のなかで、自ら問題を発見し、他者と協力して解決していくための資質や能力を育む教育が必要であるという考えがベースとなっています。

 

 これからの何をすればいいの?

20世紀生まれの人間にとっては、21世紀にはロケットで宇宙旅行というイメージはありましたが、インターネットでつながる情報社会というのは全く予想もしなかった事です。現在はさらに第4次産業革命へと進行しています。「IoT(Internet of Things)」で、すべての「モノ」はインターネットに繋がり人と設備が協調して動くこと、そして、ビッグデータやクラウドを活用してAI(人工知能)の精度をあげて人間が支持を出さずとも自分で判断して最適な行動をとるようになっていくと言われています。ゲームの世界では「VR」が実用化されていますが、こういうものも遠隔医療などの実用化が進みつつあります。進化のスピードが大変速く、10年先でもどうなっているかは予想もつきません。
教育分野では、学習指導要領の改訂によって、英語の4技能習得、アクティブラーニングで問題解決力の養成と新しいものが始まります。しかしながら、過去の偉人たちの例から言えることは、まずしっかり基礎知識・技能を身につけること、いろいろな事に「なぜ」と問いかけること。そこで始めて新しい視野が開けることになります。基礎・基本がなければ応用はありません。まずは、基礎・基本が疎かにならないようにしっかり学習にとりくみましょう。