大学入試が近づいてきていますが、今年は、センター試験から、大学入学共通テストへ切り替わりの初年度です。
大学入学共通テストの内容は、過去2年試行テストを行い、受験生はその内容に合わせて受験勉強を進めてきていました。
ところが直前になって、政治の迷走で英語での外部テストによる4技能評価の導入、数学・国語への記述問題の導入が見送りとなりました。
そして、追い討ちをかけるようにコロナウィルスにより臨時休校処置が起こりました。この期間、学校のインフラ、システムの整備状況が大きく異なるため、学力格差が開くこととなりました。
私立高校では、4月新年度早々からオンライン授業で計画通りに授業を進めているところがある一方で、公立高校では、コピー、ワークブックなどで、前年度の復習を中心に家庭学習を行っているところが多かったのではと思います。
今年は、有名大学の入試は私立高校の圧勝と予想されていますが、中々文科省が具体的な方向づけをせず、指導者・受験生ともどう進めばいいかわからない状況が続いていました。
文科省の対応
コロナウィルスによる休校処置による高校3年生の学習の遅れに対処するため入試問題範囲から高校3年生での学習範囲一部削除や入試日程を後ろへずらしことを模索して高校・大学関係者と協議をしていたが調整できず、次のように発表されました。
内容は、
1)AO入試の開始を2週間ずらす
2)大学入学共通テストは予定どおり来年の1月16日と17日に実施。試験出題範囲は変更せず。
3)大学入学共通テストの2週間後に追試験を行う。新型コロナの影響で学習が遅れた受験生も選択することが可能。
そして、個別の学力検査も予定どおり実施し、大学に追試験の設定や出題範囲の配慮を求めていますが、これは各大学の個別判断となる。
大学にとっては、
1)翌年度の入試要項は、当年度入試終了後に決定済み
2)入試問題は出題範囲は決定済みで問題作成も終了もしくは進行中
高校サイドにおいても、
1)私学は、入試に向けて計画通り学習は進んでいる
2)国公立高校でも進捗度は様々で意見が一致せず
という状況でした。
国公立大学の入試
国公立大学は、大学入学共通テスト、学力検査を予定通り進め、もし、コロナウィルスの第二波が発生すれば、その時は、文科省の指示にしただうということになるのでしょうね。
ここは、どちらにしても私立の圧勝となるでしょう。
市立大学の入試
水面下で私立大学はコロナウィルスの第二波のリスクを考えて、早めにを入学者を確定させて学生の確保すべく対応策を検討しています。
寒くなってくるとウィルスが活性化しやすくなりますので、その前に実施される総合型選抜(旧AO入試)、学校推薦型選抜(旧推薦入試)の日程、合格枠をどうするかということになります。
一部の大学では、入試問題を作成している業者へ納品を早めるように要請しているという情報もありますので、文科省の要請内容とは逆に推薦入試を早めに実施するか、もしくは、募集要項通りの日程で実施するところが多くなるのではと思われます。
そして、学生数確保という点では、推薦・一般の比率を変更して、推薦での合格者数を増やしていくと思われます。
まとめ
まだまだ流動的ですが、国公立と私学では基本的な対応が違い、極端に言えば、
9〜11月 : 市立大学
1 〜2月 : 国公立大学
と入試時期が大きく異なることになるのではと思います。
受験生にとっては、入試方法が変わる初年度に受験がどのようになるか不明瞭と厳しい状況となっています。