887304628

幼児および高等教育の“無償化”

この記事には広告を含むます。

こんにちは、Moccoです。

政府は、子育ての費用を応援しようと、「幼児教育の無償化」や「高等教育の無償化」を進めています。幼稚園・保育園の費用が無料になったり、大学へはタダで進学できるようになったりするのだから、家計に重くのしかかっている教育費の負担はずいぶん軽くなると感じる子育て世帯は多いのではないでしょうか。

けれど、幼稚園・保育園も、大学・専門学校も、かかる費用を「無条件」に無償化してくれるわけではありません。一定の基準をクリアした人だけが、一定の範囲の費用について無償になったり負担が軽くなったりする仕組みです。

大学・専門学校の場合、支援措置の対象は、「真に必要な子供たち」に限定されていて、国立大学の授業料全額が無料になるのは、住民税非課税世帯に限られます。
国立大学の学生(学部生+大学院生)について、授業料全額免除の対象人数を6万5000人として予算が見積もられており、学部と修士課程では定員の約12%が対象になる計算です。小学校のクラスが30~40人で高等教育に進学する子が24~32人だとすると、そのうち3~4人くらいが授業料免除になるということです。
未来を支える子どもたち全員の学費が、タダになる……のではないことを理解しましょう。

 

<無償化>の対象になっても学費ゼロとは限らない

「高等教育の無償化」は、学校(国立・公立・私立)によって、授業料が免除になる上限が異なります。
国立大学は、「授業料の全額免除」という区分がありますが、該当するのは住民税が非課税の世帯だけです。住民税が非課税ではない世帯のうち、年収の目安300万円未満は非課税世帯の3分の2、380万円未満は3分の1の額の支援にとどまります(両親・本人・中学生の4人世帯の場合)。
その差額は、無償化「以外」の方法で用意しなくてはなりません。
私立大学は、国立大授業料の額に、私立大平均授業料と国立大授業料の差の半分を上限として加えた額の授業料が減免対象ですので、非課税世帯であっても、授業料全額が「無償化」の対象ではないということになります。
ところで、大学の費用について考えるとき、注意すべき言葉があります。
私立の大学・専門学校では、授業料に加えて施設設備費や実験実習料など、いろいろな名目を含む学校納付金を払います。授業料以外の学校納付金は無償化の対象ではないため、「授業料」と「学校納付金」をきちんと使い分けないと、制度を誤解してしまう可能性があります。

 

「無償化」の対象になれればラッキーくらいのつもりで

学ぶ意欲がありながら、学費を用意できない学生を支援するためにつくられた、今回の「高等教育の無償化」制度。進学によって生涯賃金を上げることを目指してもらい、格差の固定化を防ぐことも目的です。
意義のある政策ではあるものの、我が子が該当するとは限りません。むしろ、該当するということは、経済的にギリギリの学生生活を送るということになりそうです。お金の心配をしながらでは、学業に身が入らない可能性が高まるとも考えられます。

我が子に、しっかりと学んでほしいと考えるのであれば、私立大学文系の学校納付金平均額に教科書などの費用を加えた500万円程度を目標の目安として、これまでどおりの貯蓄を続けることが重要です。
生まれてすぐに貯蓄を始めれば、毎月2万3150円(≒500万円÷18年間÷12カ月、利息・税金は考慮しない)の積み立てで500万円になります。
学資保険や積立預貯金など、我が家に合った方法で、お子さんが小さいうちから大学の費用の準備を始めることが必要です。

先の国会で高等教育の無償化が決まり、

(1)幼児教育の無償化

「認可外」「預かり」も2019年10月開始へ準備 3~5歳は全員

幼児教育無償化のポイント

幼児教育が無償化になる子どもは、全ての3~5歳児と住民税非課税世帯の0~2歳児です。幼稚園、認可保育所、認定こども園に加え、認可外保育施設や幼稚園の預かり保育も対象になりました。2019年10月からの全面的な実施に向けて準備が進められています。
「認可外」や幼稚園の預かり保育は、保護者の就労などにより保育の必要性があると市区町村から認定されていれば、「認可」の保育料の全国平均額を上限に無償化されます。「認可外」で無償化の対象となるのは、認可外保育所、自治体独自の認証保育所、ベビーホテル、ベビーシッターなどのうち一定の基準を満たすもの。基準を満たしていなくても、当初5年間は無償化されます。
「認可」に入れず、やむを得ず「認可外」などを利用するケースが多いことを踏まえ、無償化の対象を幅広くするよう求めた公明党の主張が反映されました。
子ども・子育て支援法に基づく小規模保育、家庭的保育(保育ママ)、居宅訪問型保育、事業所内保育は、認可保育所と同様に無償化されます。

(2)私立高校授業料の実質無償化

国の助成を引き上げ年収590万円未満で2020年度より実施

私立高授業料実質無償化の概要

私立高校授業料の実質無償化は、年収910万円未満の世帯を対象に、年収に応じて公立高校の授業料相当額(年11万8000円)から約30万円を国が助成する「就学支援金」を拡充する形で、2020年度から実施されます。対象となるのは、年収590万円未満の世帯です。
ほぼ全員が高校に進学する中、家庭の経済状況が厳しくても、私立に通わざるを得ないケースは少なくありません。しかし、現行の就学支援金では、私立高校の授業料(全国平均で年約40万円)を賄えません。そこで、子どもを私立高校に通わせる年収590万円未満の世帯への就学支援金を、授業料の全国平均額に達するよう引き上げます。
東京都や大阪府など一部自治体では、独自の負担軽減策が実施されています。

(3)高等教育の無償化(大学、専門学校)

2020年4月から低所得世帯の学生に「授業料減免」と「給付型」で実施

高等教育無償化の概要

大学、専門学校など高等教育の無償化は、所得が低い世帯の学生を対象に、「授業料減免の拡充」と「給付型奨学金の大幅増額」によって2020年4月から実施されます。支援対象者は高校在学時の成績だけで判断をせず、「本人の学習意欲を確認」して決まります。
住民税非課税世帯の場合、国立大学は授業料(年約54万円)と入学金(約28万円)の全額を免除。公立は国立の額が上限になります。私立は、授業料を70万円程度まで減免。入学金は、私立の平均額(約25万3000円)まで補助します。
給付型奨学金は、学業に専念できる生活費を賄えるように増額。そこには、入試の受験料や学校納付金(私立のみ)も計上されます。
年収270~300万円未満の世帯は、住民税非課税世帯の3分の2、年収300~380万円未満の世帯には同3分の1の額を支援します。短大、専門学校などは大学に準じた支援になります。

 

まとめ

以上のように住民税非課税世帯については、国公立の学校で教育を受けるかぎりほぼ無償化となることになりました。
しかしながら、秋の消費税アップ分を原資としての計画されていますので、消費税アップに対するポイント還元、また、景気後退による消費減などで持ち出しとなる可能性もあり、これ以上の制度拡大には代替原資をどこから捻出するかにかかっています。
就労可能人口の減少、人手不足、AI・ロボットの発達等を考えれば、やはり小さい政府に向けて舵を切っていく時期ではないかと思います。